月別アーカイブ: 2020年10月

コロナ禍における就業規則の変更

今年のコロナ禍において、在宅勤務、テレワーク、サテライトオフィスでの勤務、時差出勤などの様々な対応を会社で実施されたことと思います。毎日会社に出勤するというスタイルも変わり、出勤と在宅の組み合わせ、あるいはオールテレワークなどもあり、これまで行ってきた労務管理の在り方を見直す必要が出てきました。例えば、在宅・テレワークでは、特に育児や介護を抱えながらの従業員は、業務と私生活の区別がつけづらく、どのように労働時間の管理を行うか悩ましいところです。また業務を中断して、私的な行動を取る場合の報告など、どのようにするのか?さらに在宅・テレワーク勤務時に発生する水道光熱費や通信費などの補填ということで、手当を支払うのか、様々な検討事項が出てきます。このようなことは、緊急事態宣言下では、なんとなく見過ごされてきましたが、在宅等が長期化してくると、何ら手当がないことを不満に思う従業員も出てきます。最近は、上記のような在宅・テレワーク手当の支給、あわせて、通勤費について実費(実際に会社に通勤した時のみ)で精算するということで、就業規則・給与規程を改定される会社が増えています。変更の予定がありましたら、早めにご相談いただければと思います。

最高裁判決追加2件(同一労働同一賃金)

令和2年10月15日、13日の2件の判決に引き続き、同一労働同一賃金をめぐる2件の最高裁判決が言い渡されました。今朝の朝刊の1面を飾っていましたね。13日の2件の判決は、原告側逆転敗訴という、厳しい内容でしたが、15日の日本郵便の3件の判決は、全面勝利というもので、非正規労働者の方にとっても納得のいくものだったと思いますが、今後、非正規労働者と正規労働者の格差の是正を検討する企業に大きく影響を与えることになりそうです。昨日2件の最高裁判決の全文を読みました。テレビや新聞などでは、要点のみしか表にでてこないのですが、全文を読むと、本訴訟の背景や置かれていた原告の立場等がよくわかります。先の2件の判決では、裁判官の判断も「不合理もある」としながら最終判決は「不合理とまではいえない」と締めくくっており、仮に自身が原告の立場だとすると、期待をさせ、その後突き落とすという大変厳しい内容でした。また昨日の判決内容を見ると、支給する手当の本質を明確にし、その上で正規社員にのみ手当が支払われている場合は、それが不合理でないかどうかを1つずつ見ていく必要があります。来年4月までにあらためて非正規社員の賃金体系について見直すことになります。

注目の最高裁判決が出ました(同一労働同一賃金)

 政府が導入を進める「同一労働同一賃金」制度は、正規労働者と非正規労働者の待遇格差の違いをどこまで認容するのかあいまいなところが多く、制度設計をどのように進めていくか、苦慮されている企業が多いのですが、昨日、この件に関する2件の最高裁判決が出ました。パート労働者、アルバイト労働者に対するボーナスと退職金支給に関する判決で、いずれも非正規労働者に支払いをしないことを「不合理とまでは言えない」と原告側の逆転敗訴となりました。

 今年4月1日、まず大企業において法施行がなされ、今回初めての最高裁判決であったため、様々な企業がこの判決の行方を注視していました。特に正社員と契約社員・パート社員との待遇格差が存在する企業では、今後の制度設計に大きく影響するため、特に注目が高かったと思います。実は明日15日にも別の最高裁判決が控えておりますので、コメントは後日述べたいと思います。

  日本の裁判制度は3審制であることは皆さんご存知だと思いますが、地裁・高裁が事実審であるのに対し、最高裁は法律審で審理が進められます。つまり最高裁では事実認定は行わず、法律をどう当てはめるかを判断するため、通常口頭弁論は開かれず、判決が言い渡されることが多いのですが、今回は口頭弁論が開かれました。このようなケースの場合は、高裁の判決が変更、あるいは覆ることも多く、今回はある意味、高裁の判決が変更される可能性を示唆していました。通常、高裁の判決に不服な場合、必ず最高裁に上告できるわけではなく、上告理由が必要になります。すなわち、憲法違反の恐れがある、これまでの判例を変更する可能性があるなどの事由が必要なため、最高裁まで争うケースは、実はそんなに多いわけではありません。今回は最高裁まで争うこととなった背景には、本問題において、法の解釈の在り方、適用について困難であったため、最高裁まで裁判が継続されたといえます。 非正規の労働者にとっては納得し難い判決と言えますが、多くの経営者は胸を撫で下ろしたというのが本音ではないでしょうか?ただ、今回の判決は今後もリーディングケースになるわけではなく、案件によっては、違法性があることを指摘しています。今後、個別具体的に支給される手当や賞与、退職金等の意味合いや趣旨等を検討し、整理を進めていく必要があります。

ブログ始めました

こんにちは 当社では新たにRippleブログを開設しました。こちらでは、不定期となりますが、ちょっとした豆知識や実務上のアドバイスなどを投稿し、少しでも皆様のお役に立てればと思います。

Vol1. まだまだコロナが終息しませんね。事務所でも陽性になる可能性が一番高い私ですが、万一のことを考え、自宅でのテレワーク体制を強化しました。