【2012.08.21】    

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■ “就業者減少時代”における雇用拡大対策
−2030年就業者数、850万人減!−


◆ 2030年の就業者は今よりも850万人減少
 厚生労働省は、経済の低成長が続いて雇用政策が進まなかった場合、2030年の就業者数は2010年時点より約850万人少ない約5,450万人になるとの推計結果をまとめました。
 少子高齢化により現役世代である15〜64歳の人口が減るためですが、経済成長率を維持し、女性や高齢者の就労支援が進んだ場合には、減少数は約210万人程度に抑えられるとしています。
 労働力人口が大幅に減少することに対して、今後の対策が急務となっています。

◆ 製造業は減少、医療・福祉は増加
 産業別にみると、2030年における「製造業」の就業者数は、経済の成長や政策がうまくいく楽観シナリオでも70万人程度減る見込みです。一方、「医療・福祉」の分野は300万人以上増え、それぞれの就業者数は1,000万人弱でほぼ並びます。
 他に就業者数が伸びる業種は、「情報通信業」と「サービス業」だけとなっています。

◆ 若年層の支援が急務
 大学の定員増加や少子化により大学進学率が上昇する一方、卒業時に就職も進学もしていない若者が増えているようです。
 20〜34歳の就業率は2010年で73%台にとどまっており、政府は若者と中小企業を結びつけることで若年層の就業者数を増やすことが急務だとしています。

◆ 雇用を「まもる」から「つくる」へ
 同省がとりまとめた報告書では、雇用を「まもる」から「つくる」、「そだてる」、「つなぐ」に軸足を移すことが重要だと指摘しました。
 安定した経済成長を続けるには、一部の産業への依存をやめ、様々な分野において人材を育てる訓練制度や育成支援を行うことで、労働者の生産性を高める工夫が必要だと言えるでしょう。

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