労務アドバイス vol.093
雇用保険の適用拡大について (2024.07.17)
令和10年10月1日、雇用保険の加入要件が変わります。現行法においては、「①1週の所定労働時間が20時間以上②31日以上継続して雇用されることが見込まれる」という2つの要件を満たせば、加入することになっています。このうち1週間の所定労働時間の要件が20時間以上から10時間以上に変更されますので、1日3時間を4日勤務というような方も、今後は加入の対象となります。雇用保険は、失業した際の所得補償として基本手当(失業給付)が受けられますし、教育訓練給付、育児休業給付や介護休業給付などもありますので、個人的にも短い労働時間の方も加入するのが望ましいと思います。保険料も建設や農業以外の一般の会社の場合、賃金が10万円であれば、被保険者負担は600円となっております。一方会社負担もあり、こちらは、賃金が10万円であれば、1250円が会社負担となります。ただ、最近2~3社を掛け持ちして働いている方もおられますが、今のところ、いずれか1社(メインで働く勤務先)でしか加入できませんので、注意が必要です。国も、雇用保険の財源が枯渇してきているようですので、保険料を増やしたいという思惑と、働き手にとってのメリットを前面に出し、加入の促進を図っていくようです。