労務アドバイス vol.092
厚生年金の適用拡大について (2024.06.18)
先日のニュースで、厚生年金の適用拡大について、従業員規模による要件を撤廃するということが報道されました。現在厚生年金の「特定適用事業所」とは、
・企業規模(同一法人番号であれば他の拠点も含む)が101人以上(R6.10.1より51人以上に要件緩和)の事業場に雇用される従業員のうち
①1週あたりの労働時間が20時間以上(不定期な出勤の場合は1月あたり87時間以上)
②月給で88,000円以上(通勤費や残業代、賞与などは除く)
実際に支払われる金額が88,000円未満であっても契約書上、週20時間以上の場合は、適用となる
③学生でない
④2カ月超える契約の見込みあり
上記4つの要件すべてにあてはまる場合は、本人の意思にかかわりなく、適用となります。
今後51人以上(厚生年金の加入の人数をカウントします)という人数要件が撤廃される予定とのことですから、現在週20時間勤務で、厚生年金に適用になっていない方は早めに今後の働き方についての方向性を決める必要があります。つまり、どうしても加入したくないという場合は、週20時間未満で勤務するしかないわけです。個人的には、将来の年金の受取額も増え、私傷病などで会社より給与の支給がない場合も、健康保険より傷病手当金が受給できるなどメリットも多いので、この機会に加入されることをお勧めしています。