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労務アドバイス vol.091

定額減税について 具体的処理について (2024.05.16)

 先月、定額減税の実施について、労務アドバイスで解説したところですが、今月号では、実際の給与計算時にどのような処理をするのかについてお伝えします。本年6/1を基準とし、6/1以後に支給される給与または賞与から減税を開始していきますが、まず事前準備として、個々の社員の方々の定額現在の金額が、いくらなのかを把握することが必要です。

独身者、または既婚者であっても扶養親族がゼロの場合は、本人分のみで3万円、扶養親族がおり、その者の所得が48万以下の場合は、(16歳未満の年少者も含む)1人につき3万円を加算した金額となりますので、仮に本人に扶養する配偶者(所得48万以下)および扶養親族(16歳未満)2名の場合は、定額減税額は12万円となります。この12万円を、6/1以後に発生する給与や賞与から減算していくことになります。具体的には、A社のケースで解説します。

A社では、6月は給与が20日、賞与が28日に支給されます。給与の方が支払いが早いので、まず初回の定額減税は6/20の給与より開始します。この場合、6月の給与計算は通常通り行い、その結果、算出された所得税が仮に1万円だとした場合、当月の給与から徴収すべき所得税はゼロとします。なお、当月の減税額がいくらであるかわかるように、給与明細上に記載するか、または別途通知書を交付するなどが必要です。6月の給与では、定額減税額12万にうち、1万円が差引けましたので、残額は11万ということになります。残額の11万は次に支給日が到来する賞与より、同様に計算して算出された所得税を差し引くことになります。このように該当者の定額減税額がゼロとなるまで毎月実施していき、本年12月の年末調整で、最終的に精算することになります。事務が煩雑なのは、人によって減税金額が異なり、管理が必要なことです。また6/1の扶養状況で減税額が決定されますので、5月末までに退職した方、6/2以降に入社された方は、対象外となりますが、途中入社の方は、年末調整で実施することになります。

弊社でも多くの関与先から給与計算を受託していますので、まず6月の給与計算実施の前に、関与先の従業員様向けに、通知文(定額減税と減税額がいくらであるかの記載したもの)を配布し、事前に確認をしていただく予定にしています。

 

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