労務アドバイス vol.086
雇用保険の加入要件緩和を検討(週10時間以上) (2023.12.14)
現在雇用保険の加入要件は、1週あたり20時間以上、かつ31日以上の雇用が見込まれる場合、加入することとなっていますが、20時間以上という要件を10時間以上に緩和することを政府が検討していることが明らかになりました。このことにより、パートや短時間勤務労働者の約500万人の加入が見込まれ、失業や育児休業に伴う給付を受け取れるようにすることで、働き方の多様化を踏まえ、雇用のセーフティーネットを強化して収入を安定させ、安心して出産や子育てができる環境をつくる狙いが見て取れます。何よりもコロナ禍での失業給付の支出、また雇用調整助成金等の給付により、雇用保険の財源が枯渇してきていることも一因と思います。今年度は枯渇した財源を補うべく、雇用保険の料率改定もなされましたが、追い付かないといったところかもしれません。実施の時期については2024年の通常国会で関連法案を提出し、2028年度にも実施とのことで、しばらく先の話になりますが、少なからず影響を受ける会社も多いと思われます。現在20時間未満のパート労働者を多く抱える会社は、該当の方々の働き方を含め、様々な検討が必要となるでしょう。