労務アドバイス vol.038
パワハラ防止法、施行日決まりました (2019.12.16)
令和元年5月29日のパワハラ防止法が成立しましたが、施行日が大企業2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日と決まりました。ようやく厚生労働省よりパワハラの指針案が出されました。概ねこれまでの概念が大きく変わるものではありませんが、パワハラは、業務上の指示かどうかといったグレーゾーンも多くあるため、パワハラにあたる事例、あたらない事例も指針では掲載されています。そもそもパワハラの定義とは、職場において行われる、
1.優越的な関係を背景とした言動であって、
2.業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
3.労働者の就業環境が害されるもの
上記をいいますが、これまで判断基準があいまいでわかりづらいといった声も多く、どこまではよくてどこからがNGなのかといった相談が結構ありました。当社でもハラスメントにかかる研修の依頼が多く、これまでも様々な会社や団体に向けて研修会を実施してまいりました。今後指針が出ますと、より具体的な内容でパワハラにあたるかあたらないかの判断ができますので、より一層理解が進むのではないかと期待しています。多かれ少なかれ、ハラスメントが皆無である職場はないといえるでしょう。しかし、具体的なケースを学び、日頃から社員間のコミュニケーションを密に取ることで、大方のハラスメントの問題は解消されるのではないでしょうか。また定期的な研修会やアンケートなど職場の実態をつかむことも大切です。