労務アドバイス vol.037
災害時における国からの助成金等の支援について (2019.11.19)
10月31日、世界遺産登録されている「首里城」が火災に遭い、ほぼ全焼という痛ましい出来事がありました。出火の原因はこれから究明ということですが、9月、10月はここ千葉県内におきましても、台風や豪雨で大変な被害を受け、今も避難生活を余儀なくされている方々が多くおられ、1日も早い復興を願っています。さて、このように自然災害により、被災し、事業の継続に支障が出た場合の国の支援策はあるのでしょうか?例えば今回の水害により、事業場が浸水し、機械などが使用できなくなりやむなく休業するような場合、または、事業場の建屋が倒壊し、事業の継続が当分の間、困難となる場合などが考えられます。
①事業場が災害により直接被害を受け、雇用する労働者を一時的に離職させる場合
一定の要件を満たせば、雇用保険の失業給付を受給できる特例措置があります。
②災害に伴う経済上の理由により、労働者を休業させる場合
「事業活動の縮小」を余儀なくされた事業場の事業主が労働者と事前に結んだ労使間の協定に基づき休業を行い、その手当について手当を支払えば、雇用調整助成金が受給できます。
上記のように、雇用する労働者のための施策がいくつか用意されていますので、ためらわず、相談することをお勧めいたします。これまで各地での災害について、なかなか身近に感じることができませんでしたが、いつ大災害が起きるとも限りません。常日頃からの危機管理の体制や意識を高めるための教育や体制強化などが必要でしょう。