労務アドバイス vol.032
ハラスメント規制法成立 相談体制の整備が必須に (2019.06.12)
職場のハラスメント対策の強化を柱とした女性活躍・ハラスメント規制法が5月29日、参議院本会議で賛成多数により、可決・成立いたしました。パワハラやセクハラ、妊娠出産をめぐるマタハラに関し、「行ってはならない」と明記。パワハラの要件を設け、事業主に相談体制の整備など防止対策を取るよう初めて法律で義務づけた。
パワハラは、①優越的な関係を背景に②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により③労働者の就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)を要件とする。防止するための取組みを事業主の義務とし、相談体制の整備など具体的内容や該当する事例などは、今後、労働政策審議会で議論していく。
セクハラは、対策を強化する。事業主は、自社の労働者が取引先など社外でセクハラをした場合、被害者側の事業主から事実確認を求められれば、協力するよう努力義務を設けた。
女性活躍は、これまで従業員301人以上の大企業に限った女性社員の登用や昇進などに関する数値目標の策定義務を従業員101~300人の中小企業にも拡大する。
パワハラ対策の義務化は、大企業では2020年4月にも始まる。中小企業では同時期に努力義務でスタートし、その後2年以内に義務化となる見通し。