労務アドバイス vol.031
労働時間管理を考える (2019.05.17)
今年度、働き方改革法が施行されました。今後も同一労働同一賃金など、順次法律が施行されますが、まず労務管理の原点である「労働時間管理」についてあらためて考えてみたいと思います。
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間(休憩時間を除く)ですが、グレーゾーンも多数あり、細かいトラブルや争いがこれまでも多くありました。労働時間管理のツールとして代表的なものは、タイムカードの打刻だと思われますが、最近ではIC カードによるもの、出退勤システムなどの導入により、労働時間管理のあり方も随分様変わりしました。タイムカード等は、確かに客観性に優れていますが、起点から終点までを労働時間とすることには疑問があります。つまり、業務終了後、タイムカード打刻の時間までにタイムラグが発生し、労働時間ではない時間も算入されてしまうからです。そこで、所定労働時間外に労働する場合は、事前申請と上司の承認行為を徹底することにより、正しい所定外労働時間を集計することができます。単にタイムカードの打刻のみで運用していて、のちに争いになった場合、使用者が時間外労働を厳格に管理していなければ、タイムカードの打刻そのものが労働時間と認定されることになりますので、注意が必要です。自社の労働時間管理に問題がないか、今一度確認することをお勧めいたします。