労務アドバイス vol.029
SNSの利用について考える (2019.03.19)
SNSなどのネットワークを利用する社会が一般的になってきましたが、最近、遅刻や当日の有給の申請など、ラインを利用するなど簡易な手法で済ませることが多くなってきました。以前は、メールでの連絡や申請は許可しないという会社も多かったのですが、確かにラインですと、相手がその内容を確認すれば「既読」となり、こちらの意思が到達したとみなすことができます。とても便利で、特にこのようなネットワークを駆使することをあたりまえとして育った世代では、何の違和感もないと思います。また職場で受けたハラスメントなどもラインでのやり取りを記録として残しておけば、いざという時に「証拠」として有力な武器となることがあります。やはり、会社としても、今の時代に沿った手法をどんどん取り入れていくべきなのでしょう。当社でも代表からスタッフへの共通のメッセージはグループラインを活用しています。また、一部のお客様との連絡手段としてもラインを活用しています。ビジネスツールとしても連絡がつきやすい、親しみをもって接することができる、などのメリットがありますので、利用の輪を拡げていこうと考えています。ただ、最近あるお客さまから聞いた話によると、退職する社員から「明日から有給消化に入ります。お世話になりました」とグループラインにメッセージが送られてきたとのこと、顔も出さずに軽くラインで済ませてしまうことに違和感を覚えたそうです。まったく同感です。長年お世話になった会社に、退職の挨拶もせずにライン一本で終わりというのも寂しい限りです。確かに便利なツールではありますが、利用する場合のTPOを考慮して使わなければならないと思います。日常的に様々な会社の相談に応じる中で、顔の見えないところで陰湿ないじめが行われていてもわかりづらいといったところもあります。ラインなどのSNSは、手軽に利用できる反面、知らぬ間にトラブルが拡大していたということもありますので、上手に付き合っていきたいと思います。