労務アドバイス vol.021
働き方改革法案成立する (2018.07.27)
かねてより審議されていました「働き方改革法案」がついに成立しました。この法案は本国会の柱と言われ、何年か越しで法案の審議、衆議院解散に伴う廃案などを経ての成立です。政府としては、「裁量労働制」を盛り込みたかったのですが、こちらは、その根拠となる基礎データの不具合により、法案を見送らざるを得ない状態となりました。早いものは、来年度2019年4月1日施行です。
本号のトピックスともダブりますが、あらためて改正の内容をまとめました。
内 容 | 施行時期 | |
残業時間の上限規制 | 時間外労働の上限を年720 時間、月100 時間(休日労働含む)2~6 か月の平均時間外労働を80時間とする | ・大企業2019年4月 ・中小企業2020年4月 |
有給取得の義務化 | 有給休暇が年10日以上ある労働者について、うち5日の取得を企業に義務付ける | 2019年4月 |
勤務間インターバル | 終業と始業の間に一定の休息時間を確保する勤務間インターバルの促進 | 2019年4月 |
割増賃金率の猶予措置廃止 | 残業時間が60時間を超えた場合にかかる50%の割増賃金率について、現在中小企業に適用している猶予措置を廃止 | 2023年4月 |
産業医の機能強化 | 従業員の健康管理に必要な情報の提供を企業に義務付ける | 2019年4月 |
同一労働同一賃金 | 正社員と非正規労働者の待遇に不合理な差を設けることを禁止 | ・大企業2020年4月 ・中小企業2021年4月 |
高度プロフェッショナル制度の創設 | 年収1075万以上で専門知識をもった労働者について本人の同意などを条件に労働時間の規制から外す。 年間104日以上の休日、4週で4日以上の休日確保が必須。 | 2019年4月 |
上記のような内容で可決しています。法施行まで、間がないものもあり、今後企業の労務管理の実務で、具体的な運用方法の検討が急がれます。