【2011.12.14】    

<TOIPCS>
■ 社員の「うつ病」に備えるには?
−公的な支援策の活用が有効です−


◆ 職場として必要な知識は?
 職場でメンタル面の不調を訴える人が増えていますが、中でも「うつ病」の患者数は特に増えており、非常に身近な病気となりつつあります。
 うつ病は、身体の病気とは異なる性質があるため、職場としても知識を備えておくことが重要です。

◆ うつ病の基準とかかりやすい人の特徴
 うつ病は、医学的に広く使われる基準では、「抑うつ気分(気分の落込み)」か「意欲の低下」のどちらか、または両方が2週間以上続き、さらに同時期に睡眠や食欲の乱れ、思考力の減退などがある場合に、その可能性が高いとされています。
 うつ病(いわゆる「新型うつ病」は除く)になりやすい人は、一般的には責任感が強く、無理をして頑張りがちだと言われています。また、職場の同僚や上司から見ると、仕事でミスが増える、外見を気にしなくなるといった兆候が表れることが多いようです。

◆ 公的支援策の活用も
 うつ病と診断された場合、一般的には薬の服用と休養を中心とした治療を受けることになります。治療期間は病気の程度にもよりますが、数カ月から1年以上に及ぶことも多くあります。
 治療には時間がかかり医療費など経済的な負担が大きくなりがちですので、公的な支援策(自立支援医療制度、高額療養費等)の活用が有効です。

◆ 復職について「焦り」は禁物
 うつ病による休職者にとって気になるのが「職場復帰」の問題です。多くの人は早期復職を希望しますが、復職をきっかけに再発するケースも目立ちます。企業側でも、休職者を受け入れるためのルール(規定)や復職支援制度を整備する例は増えつつあります。
 復職について明確なルールを定めることで、再発を防止し、受け入れる職場での対応もスムーズになります。また、慣れた職場で短時間就労する「慣らし期間」から始め、体調や仕事ぶりについて産業医・上司・人事担当者らが相談しながら、徐々に元の仕事に戻すやり方もあります。
 うつ病は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら回復することが多いため、主治医が復職を認めた場合であっても、完全には回復しないことも多くあります。患者にも職場にも、復職に焦りは禁物と言えます。
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